お天気の風と雪のはなし                         

よく「Uさんは天気に詳しいね。」と言われる事がありますが、私いわく、中学生の理科で習った天気の基礎を覚えていて、
みなさんと同じ天気予報を見て言ってるだけなんです。。。

若い頃、冬場スキーへ行く前に、明日は晴れか? 雪か? に加えて 風は? 吹雪きか? が気になるじゃないですか。
天候によって、行くスキー場を決め、混み具合を予想し、帰り時間などのプランを練るので、天気は重要なファクターでした。
当時の天気予報は、テレビ民放の簡単なものか、NHKで少し詳しいのを見るか、新聞1面の天気図を見るしかありません!
でも確認できるのは「晴れ」か「曇り」か「雨、雪」 だけ。  風の強さや 吹雪くのかは分かりません。
この為、必然的に天気図(新聞の天気図良く見たなぁ。)から、風や雪を判断してました。
今は、ラジコン(飛行機を飛ばし)に行くか、やめるかを風の吹き方で決める為、今も天気はいつも注目しています。 特に冬!

今回は、その経験と基礎をもとに簡単に冬の天気を解説したいと思います。 と言っても、天気図のホントに簡単な見方ですよ~。
群馬Uの知識による独自内容の為、間違いもあるかもしれません。悪しからず。もっと詳しく知りたい方は、他サイトをご覧ください。)
群馬県を基準に解説します。

まずは、天気の基本、低気圧の特徴から。
 
風の特徴
・低気圧の風は、等圧線に対して、30度の角度で、内側へ向かって吹いてます。 「低気圧は、左巻きに内側へ」と覚えましょう。
・等圧線の間隔が狭い程、強い風になります。   私は、低気圧を見るとき、いつもこの茶色の矢印をイメージしています。
       
  ちなみに、高気圧は、全く逆で、右巻きで外側へ向かって風が吹いています。

そして雨の降る範囲 
・低気圧の中心付近と、寒冷前線付近と、温暖前線付近に雨が降ります。後述する条件が揃えば雪となります。
・寒冷前線と、温暖前線の間は、あまり雨は降りません。
       

では、これを踏まえて、冬の天気パターンが次です。
①日本列島が移動性の高気圧に覆われて、概ね全国的に安定した晴れの天気図です。。(北海道付近が怪しいですが。。)
スキーや、ラジコンに行くには良い天気図ですね。  晴れて弱い東風が吹く天気。
        
    
②東シナ海沖で、低気圧が発生し、日本に近づいてきます。西から天気が崩れていきます。
低気圧付近で雨か雪が降りはじめます。(雨か雪の判定は後述します。)
       
   
③低気圧が北東に発達しながら進み、関東に雨か雪を降らせて通過します。
低気圧は、北へ行くほど発達します。冬は北東へ進んで発達する事が多いです。夏は、東に進み発達しません。
      
  
④低気圧が北東へ更に発達しながら進みます。発達した事で、等圧線の間隔がとても狭くなります。
アジア大陸側に高気圧、日本列島の東に低気圧がある、いわゆるこれが、西高東低の冬型の気圧配置です。
       
  
この時、日本列島には、強い北西の風が吹きます。(等圧線に対して、30度の風が吹く)
低気圧がこの辺りで停滞することも多く、すると冬型が長く続き、日本海側は雪が数日間降り続きます。
こんな日は、スキー場は、吹雪となりますね。標高の高いスキー場は猛吹雪となります。   飛行場も大風。
      
低気圧が東へ抜けていくと、また西から高気圧が来て冬型が緩み、①へ戻ります。 
冬は、ほぼこのパターンの繰返しとなります。 つまり「冬は雨が降ったら風が吹く!」が冬の天気パターンです。
この時の、新潟から関東の様子が下図です。日本海側に大雪が降りますが、太平洋側には全く降らない仕組み。

関東は、上越、信越の山が高い為、日本海側の雪雲が山を越えて平野まで来て雪を降らす事はありません。
実はこのしくみ、小学校の時に先生が教えてくれました。それをいまだずっと覚えてます!
名古屋、大阪、山陽、四国は、日本海側と隔てる山が低い為、雪雲が山を超えて雪を降らす事が時々あります。

そして、雪になるのか雨なのか、雪の降る量と、降る範囲を決める大事なファクターが 「寒気」です。
この寒気の張り出しの位置が上記に大きく関係します。
強力な寒気が張り出して、冬型になると、強い北西の風が吹き、日本海側でたくさん雪が降ります。
        


では、太平洋側の関東平野で雪の降る天気図を見てみましょう。
これは、関東平野に雪が降った時の天気図の例です。
      
日本列島の南岸に接近した発達した低気圧(いわゆる南岸低気圧)と、強い寒気とその寒気の張出しが関東を覆った場合に、
関東に雪が降ります。これが関東の雪が降るパターンです。
寒気は張出し位置に加えて、寒気のパワーにより上空温度が変る為、予報は難しいとされてます。
関東平野で雪になるには、低気圧の通過位置と、寒気の張り出し位置と、寒気のパワー量が重要なファクターとなります。

では、低気圧の通過位置の違い、寒気の位置の違いによる降雪エリアを見てみましょう。   
低気圧の中心が、八丈島付近を通過した場合、低気圧北部の降雨エリアが関東にかかります。
この時に、寒気の張り出しが、関東を覆っていて、寒気パワーが強い場合に、雪となります。
     

低気圧の中心が南へ逸れた場合は、寒気が南下していても、降雨エリアから関東が外れて雪も雨も降りません。
      

低気圧の中心が、北へ逸れた場合ですが、この場合、寒気の張り出しが北上して、雨となります。
低気圧の中心付近は暖かいせい?で寒気は低気圧を覆うほど張り出す事はありません。(理由は不明)
      

低気圧の中心が、八丈島付近を通過しても、寒気の張り出しが南下してないと雨になります。
      
低気圧が南岸を通過する事は良くありますが、この時に寒気が関東まで張り出す事がなかなか無い為、
関東に雪が降る事が少ないのです。寒気の位置やパワーが微妙なほど、雨か雪の予報判断が難しいようです。

なぜ、低気圧が来ると寒気の張り出しが北上してしまうのか考えてみました。(群馬U独自見解
低気圧が接近すると、前述のように、暖かい南東の風が吹きます。
この為、それまで南下していた寒気を北上させてしまい、低気圧が南岸に到着した時に、寒気が関東を
覆う事が少ないのではと思います。 寒気が強い場合にだけ、どうにかとどまって雪となると考えます。
また、低気圧の接近前の南風で大気と地表が暖まってるので、低気圧が到来してもすぐに冷えきらず、
最初は雨が降り、その後に雪になる事が多いですね。雪にならない事も良くあります。とにかく雪はとても微妙なんです!
逆に、低気圧が通過した後は、北西の風となり、寒気を引き込む形となり寒気が南下しやすくなると考えます。
そして一気に冷え込む事が多いです。
      
実は、この天気図のように「低気圧が接近する直前」の天気は、天気は快晴で、南から入る暖かい弱い南東の風が吹き、
スキーも、ラジコンもベストの天気となります!  いわゆる、冬のポカポカ小春日和。
ピンポイントで約1日間のみなので、なかなか行く日に当たりませんけどね。 当たれば幸運。
1日後は雨か雪、その次の日は冬型。ホント、カミ一重の貴重な天気が上の天気図です。(今度ネーミングします。ウィンターミラクルDay?)


冬の天気パターンと、関東が雪の天気図、お分かり頂けたでしょうか。

ついでにいくつかお話します。

<風花(かざはな)について>
強い寒気に覆われ、北西の風が強い日、たまーーに、小さい雪雲が山を越えて平野にもパラパラ雪を降らす事があります。
それが風花です。
       
風花は、パラパラ程度の雪ですが、極極まれに積もる程降る事もあります。(10年に1回くらい)
風花は、気まぐれな雲と風によるものなので、予測不可能です。  天気予報が晴れでも降ります。


<爆弾低気圧について>
日本列島を通過した低気圧が、強力な寒気の南下により、台風並みに猛烈に発達する事があります。
北海道の東沖で停滞した場合、北海道から日本列島の日本海側で猛烈な風が吹き、大雪が降り猛吹雪となります。
寒気の南下が日本全土を覆うと、四国、九州鹿児島まで雪が降ります。
      
      

爆弾低気圧で、鹿児島にまで雪が降ったときの天気予報が下記です。
鹿児島が雪でも東京は、晴れ!  どんなに強い冬型でも関東には降りません! (降っても風花)
       
強力な寒気による爆弾低気圧の冬型の時は、渋川や、前橋まで雪となる事があります。
スキーで、 
「沼田で雪が降ってたら、その日は吹雪を覚悟しろ」
「渋川で雪が降ってたら、その日は絶対にスキーはやめろ」が私の経験です。
渋川で降ってたら、吹雪で大渋滞、道路閉鎖、スキー場着いても視界ゼロ、強風でリフト運休。ロクな事がありません。

<2014年2月8日の大雪>
南岸に到達した時点で、かなり発達した低気圧と、強力な寒波が関東に居座った事で、記録的な大雪となりましたね。
通過コースは、低気圧の中心が、教科書通りの八丈島付近の典型的な天気図。記念に保存してました。  
      
約20年間、毎年スタッドレスタイヤに履き替えてましたが、この年に限って未交換。
そんな年に限って降るんですよね~。降ってから緊急履き替えしました。
交通機関がマヒしましたね。2014/2/8 23:00頃の高速道路の様子です。ほとんどが通行止め!これも記念に保存してました。
   
ナントこの年、1週間後に再度、記録的大雪が降りました。奇跡中の奇跡だったと思います。
     
以上が私の天気図コレクションを使った、冬の天気パターンの解説でした。
書き出してみると意外とありましたね(汗)。お分かり頂けたでしょうか。
くれぐれも群馬Uの独自見解ですので。

今はネットで、詳しい天気をいつでも見れる良い時代になりました。ピンポイントの場所で1時間単位で天気と風速が
分かるなんて素晴らしい時代です。でも天気図は今でも良く見てます(笑)

最後に。雪に関係する天気で、ひとつだけしくみが解明できない気象があります。それは。
東京、神奈川で雪。 群馬、栃木は雨。 この仕組みがどうしても分かりません。どなたか解説をお願いします。


おまけ。  2大気象イベントとして、あと「台風」がありますね。 台風について少し。

台風も低気圧のモンスターですから、基本は同じです。  「低気圧の風は、左巻きに内側へ」 です。  
台風は南からやって来ますので、来る前は、東風。  西を通過中は、南風。  東を通過中は、北風。
通過後は西風になります。  解説図はありませんが、イメージできましたか?

最後に、台風進路予想図コレクションをお見せします。

<2013‎年‎10‎月‎24‎日 ツイン台風 27号28号>
      
    このあと合体したんでしょうか??

<2016‎年‎8‎月‎30‎日 台風10号 あらら?どこへ行くー? >
       
    ま西に進んだ珍しい台風。

<2017‎年‎9‎月‎16‎日 日本列島縦断台風18号>
       
    にっぽん列島直撃コース!

<2017‎年‎10‎月‎23‎日 台風21号が群馬U家を直撃中!? 中心は晴れてる?>
       
    この時、中心がわずか東にそれて晴れませんでした。


天気ってとっても不思議で素晴らしいですね。
これからも天気図をコレクションし、研究を続けます。
   ご感想お待ちしております。
 ご協力 yahoo!天気予報
  2018年1月16日 群馬U