改めてエンジンとモーター  2022/02/05 群馬U       

またまた新聞記事から。
今度は、日産、三菱自動車、ルノーの3社連合が、EV開発に巨額3兆円を投資!
EV開発といっても、やはりバッテリーの開発がメインだと思います。



EVは、部品点数の少ないモーターで、部品多数のトランスミッションが不要、
潤滑装置、発電装置、冷却装置が不要(バッテリーの冷却装置は必要)で、
補機類が無く、開発の余地は、やはり、バッテりーでしょう。
今のEVの最大の問題が、航続距離の短かさと高価格。
航続距離を長くしようと、
バッテリーの大型化、それに伴う車体の大型化、
更にそれに伴う、高価格。5〜600万円以上が当たり前。

コレが、小型車体で、500Km走行可能。300万円程度で出れば、
バカ売れするのではないでしょうか。メーカーもそれを目指していると思います。

小型、高容量、耐容量低下、そして低価格の革命的なバッテリーを
どのメーカーが最初に出すでしょうか。
いずれ、バッテリー性能の競争の時代が来るでしょう。
今度の○○○は、300万円で、満充電で 600km走行可能!
とか、急速充電を繰返しても、容量低下率が従来より25%低下!
とか。。楽しみですね〜。

ところで、EVはどうしてトランスミッションが不要なのでしょうか。
エンジンは、どうしてトランスミッションンが必要なのでしょうか。
そこで! 改めてエンジンの出力について、群馬Uの知識で書いてみます。

モータはエンジンと違って、ゼロ発信時から、最高出力を出せるから
トランスミッションが不要と言われてます。(ホントに無いのかな?)
最高出力150馬力のモーターだとすると、
スタートの瞬間から150馬力で発進できます。

エンジンは、回転数の上昇に比例して出力が上昇します。
最高出力200馬力のエンジンでも、アイドリングの800rpmでは、
20馬力程度しか出ません。

なのでマニュアル車の場合、クラッチをそーっと繋がないと
すぐエンストしますね。

もう、しばらく何年も前から、クルマのカタログから、
エンジン性能曲線を見なくなりました。
エンジン性能曲線を見ると、良く分かります。

AE86、いわゆるハチロクのカタログに記載していた
エンジン性能曲線  ↓



軸出力PSが馬力です。
1000rpm では、18馬力?くらいしかありません。
6600rpm回して、最高出力130馬力が出るのが見て取れます。
トルクについて書くとややこしくなりますが、ほぼ同じ傾向です。

この為、エンジン車は、発進時に高ギア比で高回転を使って発進し、
段階的に低ギア比へ切り替えながら加速していく仕組みです。
オートマチックトランスミッション車を運転していると
この辺の事は、全く気にする事無く加速しますが、
車が自動でギヤ比を変えてくれているのですね。

ちなみにこの4AG、比較が無く分かりにくいですが
馬力線の傾斜が4000rpmあたりからややきつくなってます。 
高回転重視で低回転は比較的力が出ない特性です。
上と下の差が大きい、いわゆる、ピーキーなエンジン。

ちなみに、モーターの性能曲線は、下記です。
横軸、縦軸がエンジンと違い、比較できませんね。
無負荷で回転しているモーターに徐々に負荷を加えていった場合の
電流、電圧特性のようです。あまり、イメージが沸きません。



エンジン性能曲線に戻ります。
回転を上げれば上げるほどパワーが出るのがエンジン。
この為、レース(や峠!)では、
積極的に回転を上げ(回して)て走ります。
レッドゾーンへ入れては壊れますが、その手前までは
基本、壊れない設計になってます。(たぶん)
この高出力が出る美味しい高回転数域を
「パワーバンド」って言ってましたね。



トルクの高出力域と馬力の高出力域が重なった回転数領域。 
4AGは、およそ5000rpm 〜7000rpm がパワーバンドです。
レース(や峠!)は、常にエンジン回転数をこのパワーバンド内に
維持して走る事で、エンジンの最大パフォーマンスを発揮します。



タイトコーナ手前のフルブレーキングの途中で、クラッチを踏んだら、
回転がストンと落ちます。
クリッピングポイント(出口付近)のフル加速に備え2速に入れ、
そのままクラッチ繋いだら。。。
超エンジンブレーキがかかり駆動輪がロックします!
なので、
フルブレーキングの途中で、クラッチ踏み、ブレーキ踏んだまま
同時にかかとでアクセルをあおり、エンジン回転数を高速に維持して、
2速にクラッチを繋ぐ。 コレがヒール&トゥ!!
アクセルをどれくらいあおるかは、練習あるのみ!

バイクも同じ。
コーナ手前のフルブレーキング中に、クラッチを握ったら、
右手人差し指、中指でブレーキ掛けたまま、
同時に薬指、小指、親指で、アクセルを吹かす。
シフトダウンし、クラッチを繋ぐ。
回転合わないと、リアがロックし転倒。。

ちなみに、ジムカーナでは、2速から1速へ
ヒール&トゥでシフトダウンしますが、
これが回転合わないと、入らない、入らない。
ずいぶん練習しました。シンクロが痛みますが。

こんなエンジンですが、
みなさんのほとんどが、力の出る高回転を使ってないようです(*_*)
回転を上げても、いいところ4000rpmくらい?
美味しいパワーバンドを全く使わずして、
このクルマは力が無い、このクルマは遅い。。と言っている。
場合によっては、買ってから一度も高回転にせず乗り換え?

もったいない。。。

高速道路合流など強く加速したい時は、
躊躇無く、遠慮無く、床までベタ踏みしま・・・・

オートマチックトランスミッションであれば、
レッドゾーンの手前で自動でギアチェンジしてくれますよ。
CVTは、自動でパワーバンドを維持してくれるはず。

ちなみに、エンジン性能曲線で、燃費については、
低回転でも高回転でもさほど変わらないように見えますが、
実際、高回転を多用すると、燃費がガタ落ちします。
もちろん排ガスも多く出て環境には悪いです。
 ダメですね。高回転の使用。
やめましょう。
関係無いですけど、
ワタシが免許取った頃は、信号青でホイルスピンして発進するクルマを
たまに見かけましたね(笑) 今は、エコ時代で皆無。

最近はメーカー側も、使わない高回転側より、常用する低回転で
力が出るセッティング傾向です。

その特性を決めるのが、バルブタイミング、バルブリフト量や点火タイミング。
このセッティングで高域重視か低域重視かを決めますが、
どうにかそれを両立できないか?
で、過去さまざまな電子デバイスが誕生しました。
可変吸気、可変排気、可変バルブタイミング、可変気筒休止。
可変バルブリフト。。。可変圧縮比。いずれも電子制御で。
クルマ好きの方なら、アルファベット4文字がたくさん頭に
浮かんだと思います。
YPVS 懐かしい。あ、バイクか。
4A-Gには、T-VISという可変吸気バルブが付いてましたが、
低回転域は、それでも弱かった。

では、また話をEVへ。
普及拡大や生き残りの切り札はバッテリーと書いてきましたが、
ここで群馬Uは、また思いつきました。
モータの省電力化!いわゆる電費が革命的に良いモータが
もし開発できれば、大容量バッテリーを開発しなくても
航続可能距離は伸びます!
○兆円の巨額投資ができないセカンドラインメーカーは、
この作戦でEVの付加価値を高められるのではと思います。

エンジンが好きですが、モーター開発も侮れません。

いや〜、自動車業界の将来が楽しみですね〜(^_^)/~

最後、おまけ 
トヨタ カローラレビン 1983年 初期型のカタログ
中学生の時、家が修理工場の同級生がいて、
その時にもらったものです。



 ↓表紙をめくり、1ページ目は、エンジン!!



 中学3年に、将来このハチロクを買う事を決意しました。
 いや、この4A-GEUを買う事を決意しました!

変わりものでした。群馬U。

その後、1987年2月 モデルチェンジ直前ギリギリでAE86の新車を購入!

楽しかったなー、あの頃 (^_^)/~